河井陽介と大前元紀
記者会見
>清水について多角的に考察したい方は、
ついに来たか、という感じである。
河井陽介が今季大学を卒業し、エスパルスへと入団した。
河井は大学2年時から
特別指定強化選手に登録されていただけに、
いつかはこうなるものと予想はしていたが、
ようやく大前元紀とチームメイトになる日がやって来た。
河井と大前の関係は、例えるならば、
野球界の斎藤佑樹と田中将大の関係に似ている。
夏の甲子園、ならぬ冬の高校選手権の決勝において、
好敵手として互いに覇を競い合い、
その後一方はプロチームへと入団し、
一方は大学(早慶)へと進学していった。
そして、こうした異なる人生のプロセスを辿りながらも、
やがて運命はプロという舞台で再び巡り合うことになる。
唯一異なるのは、ハンカチ王子とマー君が、
異なるチームに加入したのに対し、
河井と大前はエスパルスという同じクラブに入ったこと。
昨日の敵は、今日の友。
今度はライバルとしてではなく、
仲間として共に同じ目標を目指して戦うことができるのだ。
少し当時のあの頃を思い出してみる。
2008年の高校選手権において、
河井率いる藤枝東は、勝負強く試合を勝ち進み、
見事決勝進出を果たしていた。
(村松もこの時のメンバーである)。
この静岡県勢の久々の躍進に、県内は沸き立ち、
「王国復権」に向けて大きな期待が集まった。
一方、反対サイドのトーナメント表を
破竹の勢いで勝ち上がってきたのは、
夏の全国高校総体(インターハイ)4強、
秋の全日本ユース選手権優勝を成し遂げた、
大前率いる優勝候補筆頭の流通経済大柏。
この前2大会において得点王を獲得した大前は、
今大会でも準決勝で4得点を叩き出し、
史上初となる高校三大大会得点王という偉業を、
ほぼ手中に収めていた。
その4-4-2のFWを務めた、
大会屈指のストライカー大前に、
決勝で藤枝東は縦横無尽に突破され、
圧倒的な力の差を見せつけられてしまう。
結果は大前の2ゴールを含む、0-4の完敗であった。
静岡県勢久々の戴冠まであと一歩と迫りながら、
藤枝東は悔しい悔しい準優勝。
この凄い大前がエスパルスに入団する。
そのことだけを静岡県民は唯一の慰めとしていた。
そしてこれは裏を返せば、
エスパルスでもその分やってもらわねば困るという、
静岡に対する重い十字架を、
大前自身が背負った瞬間でもあった。
その後別々の道を歩むことになった河井と大前だが、
河井が早くからエスパルスの
特別指定強化選手に選ばれたため、
2人の関係はより一層親密なものとなった。
一緒にスタンド観戦する姿も目撃された。
大前は前述のような経緯から鳴り物入りで入団したが、
高卒選手にはプロの壁はやはり厚く、
なかなか出場の機会は与えられなかった。
それでも河井入団前年となる昨季には、
プロの先輩として貫禄を見せるかのように大ブレーク。
シーズンを通じてクラブMVP級の働きを見せた。
河井の方は、慶応大入学以降プレーを観ていないので、
どのような選手へと成長したかは分からないが、
藤枝東時代の印象は、リケルメのような古典的10番。
3-5-2のトップ下を務め、
ゴールよりアシストが好きという、
典型的なパサータイプであった。
ただし、あの時のままでは、
中央にスペースのない現代フットボールにおいて、
活躍の場を得ることはできないだろう。
ボディコンタクトで負けないだけのフィジカルとキープ力、
そしてゴールへの意欲と守備への意識といったものを、
現代戦術の中で身に付けていなければ、
攻撃的MFの陣容が異様に厚いこのチームの中で、
スタメンの座は望めない。
しかし、こんな縁を持った2人だけに、
サポーターは2人がピッチで共存し、
活躍することを心待ちにしている。
河井自身、大前とのプレーについては、
「非常にやりやすい選手の一人であるので、
自分がボールを持った時には元紀を見て、
元紀にパスを出して、元紀がゴールを決めてくれる
ということを描きながら、練習中からもっともっと
良い関係をつくっていきたいなと思っています」
と記者会見の席で語っている。
そんな日が早く来ると良いなと思う。
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>清水について多角的に考察したい方は、
ついに来たか、という感じである。
河井陽介が今季大学を卒業し、エスパルスへと入団した。
河井は大学2年時から
特別指定強化選手に登録されていただけに、
いつかはこうなるものと予想はしていたが、
ようやく大前元紀とチームメイトになる日がやって来た。
河井と大前の関係は、例えるならば、
野球界の斎藤佑樹と田中将大の関係に似ている。
夏の甲子園、ならぬ冬の高校選手権の決勝において、
好敵手として互いに覇を競い合い、
その後一方はプロチームへと入団し、
一方は大学(早慶)へと進学していった。
そして、こうした異なる人生のプロセスを辿りながらも、
やがて運命はプロという舞台で再び巡り合うことになる。
唯一異なるのは、ハンカチ王子とマー君が、
異なるチームに加入したのに対し、
河井と大前はエスパルスという同じクラブに入ったこと。
昨日の敵は、今日の友。
今度はライバルとしてではなく、
仲間として共に同じ目標を目指して戦うことができるのだ。
少し当時のあの頃を思い出してみる。
2008年の高校選手権において、
河井率いる藤枝東は、勝負強く試合を勝ち進み、
見事決勝進出を果たしていた。
(村松もこの時のメンバーである)。
この静岡県勢の久々の躍進に、県内は沸き立ち、
「王国復権」に向けて大きな期待が集まった。
一方、反対サイドのトーナメント表を
破竹の勢いで勝ち上がってきたのは、
夏の全国高校総体(インターハイ)4強、
秋の全日本ユース選手権優勝を成し遂げた、
大前率いる優勝候補筆頭の流通経済大柏。
この前2大会において得点王を獲得した大前は、
今大会でも準決勝で4得点を叩き出し、
史上初となる高校三大大会得点王という偉業を、
ほぼ手中に収めていた。
その4-4-2のFWを務めた、
大会屈指のストライカー大前に、
決勝で藤枝東は縦横無尽に突破され、
圧倒的な力の差を見せつけられてしまう。
結果は大前の2ゴールを含む、0-4の完敗であった。
静岡県勢久々の戴冠まであと一歩と迫りながら、
藤枝東は悔しい悔しい準優勝。
この凄い大前がエスパルスに入団する。
そのことだけを静岡県民は唯一の慰めとしていた。
そしてこれは裏を返せば、
エスパルスでもその分やってもらわねば困るという、
静岡に対する重い十字架を、
大前自身が背負った瞬間でもあった。
その後別々の道を歩むことになった河井と大前だが、
河井が早くからエスパルスの
特別指定強化選手に選ばれたため、
2人の関係はより一層親密なものとなった。
一緒にスタンド観戦する姿も目撃された。
大前は前述のような経緯から鳴り物入りで入団したが、
高卒選手にはプロの壁はやはり厚く、
なかなか出場の機会は与えられなかった。
それでも河井入団前年となる昨季には、
プロの先輩として貫禄を見せるかのように大ブレーク。
シーズンを通じてクラブMVP級の働きを見せた。
河井の方は、慶応大入学以降プレーを観ていないので、
どのような選手へと成長したかは分からないが、
藤枝東時代の印象は、リケルメのような古典的10番。
3-5-2のトップ下を務め、
ゴールよりアシストが好きという、
典型的なパサータイプであった。
ただし、あの時のままでは、
中央にスペースのない現代フットボールにおいて、
活躍の場を得ることはできないだろう。
ボディコンタクトで負けないだけのフィジカルとキープ力、
そしてゴールへの意欲と守備への意識といったものを、
現代戦術の中で身に付けていなければ、
攻撃的MFの陣容が異様に厚いこのチームの中で、
スタメンの座は望めない。
しかし、こんな縁を持った2人だけに、
サポーターは2人がピッチで共存し、
活躍することを心待ちにしている。
河井自身、大前とのプレーについては、
「非常にやりやすい選手の一人であるので、
自分がボールを持った時には元紀を見て、
元紀にパスを出して、元紀がゴールを決めてくれる
ということを描きながら、練習中からもっともっと
良い関係をつくっていきたいなと思っています」
と記者会見の席で語っている。
そんな日が早く来ると良いなと思う。
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